「あと700m!その先の横断歩道を右手に入るとゴールだよ!」と声が聞こえてくる。右に曲がると、眩いばかりにライトアップされたくびき野希望館のゴールゲートが見えてくる。ゴールゲートまでの直線約300mの両サイドは、地元の方の大声援で、ランナー1人1人に労いの言葉をかけて迎えるくれる。
その中を自分が走って行くのは、めちゃくちゃ気分がいい。全身に鳥肌が立つくらいに興奮する。あんなに早くゴールしたい、終りたいと思ってたのに、今は少しでも長くこのなんともいえない気分を楽しみたい、ゴールするのが勿体無いような気持ちになる。会場のアナウンサーが出身地と名前を呼んでくれ、ゴール脇の応援団とハイタッチ。長く、痛く、辛く、苦しいウルトラで、何度か気持ちが切れそうになったが、今まで経験したことのない最高の感動を味わいながらゴールテープを切る。
12時間38分19秒。
ゴールした後、地元のボランティア中学生3人が寄ってきてメダルを首に掛けてくれる。休憩テントまで連れて行ってくれて椅子に座らせてくれる。1人は飲み物や食べ物を持って来てくれ、1人はゼッケンを外して完走証や荷物を取りに行ってくれる。その間にもう1人はシューズのチップを取ってくれる。
ヘロヘロになっている状態なので、至れり尽くせりの気遣いに感激する。「他に何かありますか?」とずーっと私の前に待機してくれているので、丁重にお礼を言って他のランナーの所へ行ってもらう。
初ウルトラマラソンにこの大会を選んで本当に良かったと思えるほど素晴らしい大会だった。ボランティアの熱心なサポート、沿道の熱い声援、エイドやゴールでの温かい心配りに感謝。それらに後押しされたからなんとか完走できたのだと思う。2年後にまた絶対に「えちご・くびき野100kmマラソン」に参加したいと思わせる。そして、ウルトラマラソンはいろいろな感動を体験でき、多くのランナーの心を惹きつける魅力があることが分かった気がする。こんないいもの絶対チャレンジしないと損ですよ!さて、2年も待てないから、今度は宮古島の強風に挑戦だ!!
この原稿を書いている時に、新潟中越地方で大地震が発生し、各地で大変な被害が出ている様子。いろいろお世話になった方々のご無事を願うと共に、早い復旧を心よりお祈り申し上げます。