トップページに戻る リストに戻る
画像1
TOPHOMELISTBACKNEXT

おじゃり申せ、たねがしま その3

2005.7.21
ショーブン

No.1237

20kから30kに54分、よしイーブンペースで来てるぞ、体調は悪くない、とは裏腹にじつはこの10kはペースを上げていこうと決心していたのに、全然上がらなかったのが本当のところなのです。島を東西に横切るのはやはり山道とはいわないまでも中央にむかって上り、そして下り、手ごわいコースです。そして、これは頭に入っていなかった折り返し部分、千人ほどが座れるという広さの千座の岩屋、という名所があるのですが、そちらのほうへ向かってから折り返す、ここで走っている仲間の姿をたくさん見ることができました。やっとのことで折り返し、どんどん正面から来る人をみてると、ああー、へばってるなー、おれもあんなふうに見えるのかなー、走ってるっていうより早めに歩いてるって感じだよなあ、あーあ、歩いちゃってるよ、あのおじさん、つらいよなあー、先長いもんなー、あっ4時間のペースランナーがいるよ、結構近いじゃん、抜かれるのはごめんだぜー。

ひさしぶりに追い越す人に、顔色を伺ってから話しかけます。ぼく、ここ初めてなんですけど、坂が多いですねえ、まだ先にあるんでしょうかねえ〜?まだまだあるよ〜、でもその足ならいけるっさ、と励まされながら抜かせてもらいました。ほんとでした、しかも長いっていうかずっと坂、あれえー、こんなんだっけかなー、いやきっと疲れてきたから長く感じるんだよなあー、だんだんレースも終盤、周囲に話しかけるのが平気になってくるのも、アドレナリンだかエンドルフィンだかのおかげでいつものことです、あのー、まだ坂あるんですか〜この先?沿道の奥様方がたがけらけら笑いながら応えてくれます、まだまだだよー。

おや、3時間30分のペースメーカーが、なんとがっくり肩を落として歩いています。ああー、こういう人も走れなくなっちゃうのねー、きっついコースなんだよなあー、やっぱりなあー。でも、その彼を抜かすときにちょっと優越感に浸っちゃいました、ふふふ、ぼかあ走りきるもんね。

とにかく長い坂のほぼ頂点に、係員とおぼしき男性ひとり、これで坂は終わりですよね〜、いやいやまだありますよ〜、っくうー、ほんとかよ、ってほんとでした。こんどは短めに見えてきっつい坂です。沿道に人も増えてきました、これ上がればゴールだよー、ほんとほんと、うわあー、そりゃそうだ、宇宙センターの中まできっつい坂がありました。へほへほ、へほへほ、でもここからはどこかで長男が見ていてくれるのではないかと、腕ふりもかっこつけていかねばなりません。

3時間57分57秒って、なんともサブフォーなタイムですが、よしよし、あの坂つづきでこれなら上出来だな。長男が言います、思ったより遅かったなあ。待つほうと待たせるほう、同じ時間でも感じ方は逆になりますなあ。長男は、ぼくが宿を出てから約7時間を、このだれも知らない島で一人で過ごしたわけですから無理もないでしょう。聞けば親切な島の人々に道を途中まで送ってもらったり、バスにうまく乗せてくれたりで、よかったよかった。ロケット博物館、赤米館もありがとう、息子よ、きみの我慢と勇気のおかげで楽しめたぞ。

とにかく、島の雰囲気を満喫できるすばらしい大会です。紹介してくれたアウトリガーさんに重ねて感謝します、みなさんもぜひ、この大会に参加して種子島のことを知ると、なんだか日本の歴史にも詳しくなれた気がしますよ。ぼくは5年後にはやはり小学5年になる次男を連れてまた来ようと思っています(息子兄弟には公平に接しないとならんのですわ)。

画像1

おみやげのロケット焼酎ほか


画像2


更新:2005.7.21
TOPHOMELISTBACKNEXT