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第13回日本山岳耐久レース●その3
〜スタートから第一関門編〜

2005.10.14
パホイホイ小虫

No.1269

スタートに並んでいると、「そのスパッツはどういうやつ?上は締まるの?」と、話し掛けられました。登山系装備のおじさま3人と、しばしお話。「女の子は荷物が少ないねえ」「これしか持てないんですよう」「あ、ロッテどうなったかな(おもむろに携帯ラジオON)」それ、レースに持っていくんですよね。楽しそう。緊張する間もなく号砲が鳴り、集団が動き始めました。

走り始めると肌寒さは消えます。そのまま山道に入り、ただ周りの流れに乗って走ったり歩いたりし続けました。

しかし、一時間ほど進んだあたりで、渋滞が始まります。道が狭まるところでつっかえているようです。雨空を見上げながら、しばらく立ち止まっていました。汗が冷えたのでノースリーブの雨具を着て、お腹は空いてないけど暇なもんでパワーバー(不味い)をちょっとかじりました。

目の前の人はいらいらして、道端の草を引っ張ったりちぎったりしています。私は、試走では想像しなかった事態に困りつつ、「そんなに走りたいんなら金毘羅尾根に行ってから走れ。」と、自分に言い聞かせていました。金毘羅尾根って、60km以降の緩やかな走りやすいあたりのことです。体力が残ってればね。ここは、遅いと思うぐらいでいいとどこかに書いてあったのを思い出していました。

やっと渋滞ポイントを抜けて、走り始めます。しかし、道は恐ろしいほどの荒れ具合でした。多分、私の前に通過したのは500人ぐらい。よく耕された畑に水をぶちかけて、斜めにしたような状態でした。走りづらいと思うでしょ?

ところが、下りではこの柔らかい地面が、ちょうど富士の砂走りのような状態で面白いではないですか。盛り上がった土のてっぺんを踏むように、どっちかっていうと踵に体重をかけてそのまま滑らせます。すると、一歩がずるーって進むんですよね。膝に衝撃も無く。

第二関門までは下りもセーブして体力温存、とかどきちさんにアドバイスされていたのですが、思わず直線で下ってました。何度も尻餅しつつ。抜きにかかったら、抜いた人と私が並んだ状態で同時に滑って同時に笑ったり。最終的には最初っから尻着いて滑り台して木にぶつかり、他の方に「す、すごいことしてるね」って誉められたり。いえーい。いつの間にか、苦手だと思っていた醍醐丸の頂上を過ぎていました。

試走では頂上を通っていた生籐山は、本番では巻き道でした。巻き道って、頂上を通らないで脇を回りこむ道のことです。もちろん、こっちの方が楽です。想定していた辛い上りが無いなんて。やったーラッキー!プチ有頂天になりました。

ゆっくりと日が暮れて、地面の凹凸の輪郭が消えていきます。浅間峠につく手前で、立ち止まってヘッドランプを取り出しました。

視界は狭いですが、まだまだ人が多いため適当に前の人に着いていけば進めます。遠くから賑やかな応援が聞こえて、第一関門の浅間峠へたどり着きました。ここで22.66km。スタート地点からの標高差は+660mですが、途中で+790mまで上って下ってしてます。かかった時間は、4:41:50(573位)。予定では4:45:00でしたが、本当は4:30:00以内で通過し、貯金を作るための「余裕を持たせた設定タイム」でした。でももう貯金はほぼ無くなってしまいました。雨だからしょうがないねえ。

東屋で休憩している人が横目で見えた気がしましたが、立ち止まらずに直進。次の目標は、コース最高峰の三頭山です。標高差は+667m。いつもは大好きな緩やかな道が始まります。リラックスしたペースでも、3:00:00で着くはずでした。

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ぴょこぴょことアップダウンしながら、全体的には上りです。


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スパッツ。ゲーターとも言う。
靴底に通すゴムが切れちゃうので、一度使ったら自分でゴムだけ買ってきて取り替えるのが良いです。


更新:2005.10.14
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